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米国産シェールガス、世界揺るがす可能性-LNG取引急増で

  • 米国のガス輸出開始はロンドン、東京市場にも影響及ぼすとの見方
  • 米が5年以内にLNGの世界3位の供給国になると予想:IEA

米国では過去10年間にペンシルベニア州やテキサス州などのシェール企業から大量の天然ガスが供給されたため、価格が17年ぶりの安値に下落した。今やガスは世界に向けて供給されおり、ロンドンや東京などの市場を揺るがす可能性がある。

  米国は今年、シェールガスの海上輸出を開始。国際エネルギー機関(IEA)は同国が5年以内に世界3位の液化天然ガス(LNG)供給国になると予想している。IEAと米ゴールドマン・サックス・グループによれば、ガスは欧州で発電燃料として石炭と競うほか、価格が高水準で供給が制限されていた新興国でもガスを購入可能となる見通しだ。

  ゴールドマンによれば、LNGは昨年、世界で石油に次いで2番目に多く取引されたコモディティであり、需要は引き続き伸びると予想される。オーストラリアからの新規供給とアジアの需要軟化によって世界のLNGが供給過剰となる中、米国からの供給が加わっている。シェールガスはLNGの売却方法に非常に大きな影響を及ぼしつつあり、長期契約に代わるスポット取引が増えている。

  IEAのシニアガスアナリスト、コスタンザ・ジャカツィオ氏は電話インタビューで「米国が状況を一変させたのは明らかだ。米国は5年以内にゼロから世界3位のLNG供給能力を保有する国となる見通しで、LNG市場に新たな柔軟性をもたらすだろう」と指摘した。
  
原題:U.S. Shale Gas Shaking Up Global Markets as LNG Trading Surges(抜粋)

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