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OPEC「降伏」でも米シェール企業にとって依然課題残る

  • 米国の原油価格とシェール企業の株価は29日に続伸
  • シェール企業が支出増やすには原油価格が数カ月50ドル上回る必要

石油輸出国機構(OPEC)はついに2年に及ぶ米シェール企業との価格競争から身を引いた。それが米シェール業界にとって最終的な勝利なのかどうかは現時点では分からない。

  OPECが8年ぶりに減産を決定した翌日の29日、原油価格と米シェール企業の株価は続伸した。S&Pグローバル・プラッツやオッペンハイマーなどのアナリストらによれば、米シェール企業が支出を増やすためには、原油価格が数カ月にわたって1バレル=50ドルを上回る水準を維持する必要がある見通しだ。

  オクラホマ州の新規油田スクープとスタックなどの米国の油井数千カ所に投資する非上場のウォーリック・エナジー・グループのキャサリン・リチャード最高経営責任者(CEO)は、OPECの予想外の発表は、米シェール企業に対する「降伏」を意味していると指摘する。これらの企業は、OPECが予想していた以上に駆逐するのが困難であることが分かった。

  リチャードCEOは電話インタビューで「OPECは『原油価格が40ドルや50ドルの水準では経済成長も財源の確保も不可能』と主張している。これは米国の状況とは正反対だ。パーミアン盆地やスクープとスタックのリターンは20%を上回っている」と述べた。

米国とOPECが激突

  OPECの決定を受け、原油価格は29日、1カ月ぶりの高値を付けた。ニューヨーク市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油は前日比1.7%高の1バレル=47.83ドル。28日には5.3%上げた。ブルームバーグ・インテリジェンス独立系探査生産・基本事業指数によれば、米シェール企業の株価は、アプローチ・リソーシズやサンドリッジ・エナジーがけん引し29日に2%上昇。28日には8.3%値上がりした。

原題:OPEC ‘Capitulation’ Still Leaves Hurdles for U.S. Shale Drillers(抜粋)

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