米国債(16日):ブラックロックは30年債敬遠、急落後も妙味なし
Eliza Ronalds-Hannon、Wes Goodmanブラックロックのグローバル債券最高投資責任者(CIO)であるリック・リーダー氏にとって、米30年債に投資妙味はまったくない。2週間に及ぶ下げで同年債利回りが6月以来の高水準に押し上げられてもだ。
30年債は9月に入って5%下落した。このままいけば過去1年半で最悪の月となる。各国の中央銀行が景気刺激のために投じてきた金融政策の限界を見極めつつあるとの見方が背景だ。イールドカーブはスティープ化が続いたが、この日は縮小した。
リーダー氏は「30年債にそれほど大きな価値はない」と述べ、米金融政策当局は「インフレを押し上げるだろう。そしてイールドカーブがスティープ化するだろう」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.45%。同年債(表面利率2.25%、償還2046年8月)価格は95 28/32。
米2年債利回りは4bp上げて0.76%。日本やドイツはマイナス利回りとなっている。
SEBのシニア金利ストラテジスト、マリウス・ダハイム氏(フランクフルト在勤)は、「中央銀行が取れる手段は出尽くしつつあるのか」と述べ、「この次の段階を市場は見極めようとしており」、「それが長期債の利回りをさらに押し上げる可能性がある」と続けた。
原題:BlackRock’s Rieder Takes Dim View of Long Treasuries After Rout(抜粋)