ドイツ銀買収検討必要とトルコ大統領顧問-国営銀やファンド活用
Isobel Finkel-
ドイツ最大の銀行がトルコの銀行になれば喜ばしいとブルト氏
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ウェルスファンドや国有銀行グループ活用も選択肢とブルト氏
ドイツ最大の銀行であるドイツ銀行の株価急落を受けて、思いがけない場所から買収観測が浮上している。
トルコのエルドアン大統領の首席顧問ユギット・ブルト氏は、同国がドイツ銀の買収に向けて、新たな政府系ファンドや国有銀行グループの活用を検討する必要があると提言した。ブルト氏はツイッターの自らのアカウントを通じて27日にこの提案を行い、ドイツ銀はトルコの銀行として生まれ変わるべきだと述べた。
ドイツ銀の株価は過去1年で50%余り下落し、27日に上場来安値を更新。財務状況の悪化に加えて、住宅ローン担保証券(RMBS)に関する米調査決着の費用をめぐる懸念が株安の背景にある。
ブルト氏は「トルコの民間資本と公的資本にテレビ番組を通じて何カ月も呼び掛けてきたが、欧州連合(EU)域内の非常に立派な幾つかの会社が困難に陥ろうとしており、これらの企業の経営権獲得に必要な株式の買収に備える必要がある。ドイツ最大の銀行がトルコの銀行になるとすれば喜ばしいことではないか」とツイッターへの投稿で主張した。
トルコの上場金融機関の時価総額が490億ドル(約5兆円)をわずかに上回り、米自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)とほぼ同じ規模であるのに対し、ドイツ銀は約170億ドル。一方、トルコの銀行資産は7月末時点で8360億ドル程度にすぎないが、ドイツ銀の総資産額は昨年末時点で1兆6300億ユーロ(約185兆7000億円)に達する。
トルコのユルドゥルム首相は7月24日のブルームバーグとのインタビューで、超大型インフラプロジェクトへの投資を賄い、市場の安定と成長軌道の維持を目的とする政府系ファンドの設立を政府が計画していることを明らかにした。アースラン運輸海事通信相は8月の段階で、ファンドは最大2000億ドル規模になる可能性があると述べたが、財源の詳細は明らかにしていない。
原題:Erdogan Adviser Says Turkey Should Consider Buying Deutsche Bank(抜粋)