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欧米の株式市場、政治リスクで年内にショックも-ゴールドマンが警告

  • ストックス欧州600指数、米S&P500は年末までに2%下落へ
  • 欧州は景気の弱さ、米国はバリュエーションの高さが懸念

米国および欧州の株式市場は年末にかけて値動きの激しい展開となりそうだ。

  これはゴールドマン・サックス・グループからのメッセージだ。同社は欧州経済の弱さや米国株の株価水準の高さが政治リスクを増幅すると指摘。向こう3カ月間は両市場が下げやすい状態で、12月までにそれぞれ2%程度下落すると予想する。

  ゴールドマンのポートフォリオ戦略・資産配分担当マネジングディレクターを務めるクリスチャン・ミュラーグリスマン氏は6日、ロンドンから電話インタビューに応じ「ショックが起きる可能性は現在いっそう高まった」と発言。「われわれはこれまでよりもややディフェンシブに傾いており、先進国市場よりもアジアと新興国市場に傾斜している。年末にかけて欧州と米国には弱気の見方を少し強めた」と明らかにした。

  欧州に対する同社の見通しは、大半のストラテジストに比べ悲観的だ。ブルームバーグがまとめた年末時点のストックス600指数に関する10人の予想平均は、7日終値に対し1.3%上昇だった。同指数は年初来で6.5%余り下げている。バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチが先週、EPFRグローバルのデータを引用してリポートしたところによれば、欧州株投資ファンドから過去最長の35週連続で資金が流出し、流出額は約930億ドル(約9兆6330億円)に上った。

割高感の脅威

  ミュラーグリスマン氏にとって、米国株の懸念は高いバリュエーションだ。現水準が高いだけに、衝撃が生じれば急落する恐れがあると同氏はみており、とりわけ株価を支える利益の伸びがない場合にその可能性が強まると指摘した。S&P500種株価指数の株価収益率(PER)は過去5年の平均が15.6倍だったのに対し、現在は18倍を上回る。

  昨年の相場を最も正確に予想した1人であるゴールドマンの株式ストラテジスト、デービッド・コスティン氏は、S&P500が2100で今年を終えると予想。7日終値は2153.74だったため、下落を見込んでいることになる。ゴールドマンは年内残りの時期について日本を除くMSCIアジア指数や、中国など新興国を志向しており、先月には3カ月をめどにした投資判断で米国と欧州株を「売り」相当に引き下げた。

原題:Goldman Sachs Sees Shock Potential for U.S., European Stocks (2)(抜粋)

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