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ドイツ銀が米国部門の縮小を検討、米司法省とも協議か-関係者

更新日時
  • 米部門縮小は資産運用部門の売却よりも可能性が高いと南ドイツ新聞
  • 米国部門縮小で主に影響を受けるのは投資銀行事業-関係者

ドイツ最大の銀行であるドイツ銀行は、法的費用の増大で資本が損なわれる恐れが増す中で、米国部門の縮小を検討している。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。

  非公開情報であることを理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、そのような選択肢は同行の幅広い戦略見直しの一環として検討されている。関係者の1人によれば、同行の監査役会が最近開いた会合で米国部門をめぐる議論が行われ、米当局との協議でも取り上げられた。

  ドイツ銀の広報担当者はコメントを控えている。南ドイツ新聞はドイツ銀に近い匿名の関係者からの情報を引用し、同行の米国部門の縮小について、資産運用部門の売却よりも可能性が高いと14日報じていた。

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ドイツ銀のビル(フランクフルト)

Photographer: Axel Seidemann/Bloomberg News

  住宅ローン担保証券(RMBS)をめぐる調査を決着させる条件として、140億ドル(約1兆4600億円)前後の支払いを米司法省が求められていることをドイツ銀が先月公表したことが、株価急落の引き金となり、同行の財務の健全性をめぐる不安が投資家の間で広がった。同行が準備する法的費用引当金は6月末時点で55億ユーロ(約6300億円)。

  関係者の1人によると、米国部門の縮小は必要資本に関係するため投資銀行事業に主に影響を与える。関係者らによれば、最終決定は行われておらず米国部門をめぐる議論は続いているという。

  一方、独紙ウェルト日曜版は、ドイツ銀が米司法省の調査決着の条件として、米国での業務縮小を迫られる可能性があると伝えた。事情に詳しい関係者1人によると、米当局との協議でその議題が取り上げられている可能性はあるが、これまでのところ米国からの撤退を決着の条件として強いられる状況ではないという。

  ドイツ銀の株式時価総額は今年に入り約46%目減りし、ブルームバーグ欧州銀行・金融サービス指数の構成銘柄の中で株価パフォーマンスが4番目に悪い。同指数は年初来で22%下げている。

必要資本圧縮の手段か

  ドイツ銀行は米国の規制要件の下で、米国部門のために一定の資本を積む必要がある。米司法省への支払いが法的費用の準備を上回る場合、米国部門の縮小は同行の必要資本を圧縮する一つの手段になり得るだろう。

  しかしそのような動きは、投資銀行がより多くの利益を得られる市場の一つである米国において、ドイツ銀の地位低下を招くことも予想される。同行の全世界の行員数は2015年末時点で10万1104人。北米では約10%に相当する1万842人を雇用している。

原題:Deutsche Bank Is Said to Explore Shrinking Its U.S. Operations(抜粋)

(米国部門縮小が必要資本圧縮の手段との見方を追加して更新します.)
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