オフショア人民元、過去最安値を更新-中国当局が元安容認か
Robin Ganguly
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本土市場の人民元も6年ぶり安値
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他の新興市場通貨への波及懸念の指摘も
オフショア人民元は24日、ドルに対して下げ、過去最安値を更新した。輸出減少とドル高を受け、中国当局が元の柔軟性向上を容認していることを示唆した。
ニューヨーク市場でオフショア人民元は1ドル=6.7880元まで下げた。これは2010年までさかのぼれる日中取引のデータで過去最安値となる。
24日の上海市場では一時0.17%安の6.7770元と6年ぶりの安値となり、ブルームバーグがまとめた市場の年末予想の中央値(6.75元)を下回った。
中国本土からの資金流出が増えている兆しが示される中、人民元への圧力は高まっている。ただ世界的な市場混乱を引き起こした今年初めの元急落時とは異なり、パニック的な気配は今のところない。当局が他通貨に対する人民元レートを安定的に維持しているためだ。
ユニオン・バンケール・プリベのストラテジスト、クーン・チャウ氏(ロンドン在勤)は「元の下げが強まり、資本流出も強まっている」と指摘。「人民元はしばらく市場関係者の関心の外にあった」とし、このところの下落が他の新興市場通貨に「波及する震源地となる可能性がある」との見方を示した。
本土市場の人民元は今年に入って4.1%安と、アジア通貨で最大の下落。今月に入ってからは1営業日を除き連日下げている。今月1日に国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の通貨バスケットに正式に組み入れられた後、中国人民銀行(中央銀行)が元の下支えを縮小したとの見方が市場にある。
原題:Offshore Yuan Weakens to Record as PBOC Seen Tolerating Decline(抜粋)
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