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長期金利上昇で大打撃、「テール」なシナリオではない-ゴールドマン

  • 長期金利の1ポイント上昇で過去最大の損失水準だと分析
  • 世界の債券での平均残存年限はインフレ調整後で09年の2倍超

長期金利が上昇すれば投資家はひどい打撃を受ける。ゴールドマン・サックス・グループの分析が示した。最近の長期債利回り急上昇を考えると、怖くなる話だ。

  ゴールドマンのアナリストらによると、長期金利の1ポイント上昇がブルームバーグ・バークレイズ・US・アグリゲート指数の構成債券保有者にもたらす損失は1兆1000億ドル(約114兆円)に上る。これは過去最大の損失水準だという。

  ゴールドマンは債券売りがまだ続くと考えており、そうした事態の想定は「テールなシナリオというにはほど遠い」とアナリストらは記している。「テール」は、可能性は低いが影響が大きい「テールリスク」からの転用。

Treasury Bill Auction Shows Demand Damped By U.S. Shutdown

米財務省

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  景気の弱さで先進国・地域の中央銀行が緩和的政策を維持するとの見通しを背景に、債券は今年、世界的に値上がりした。長期債投資のリターンは良好だったが、最近の利回り上昇でキャピタルゲインは浸食されている。

  世界の債券での平均残存年限はインフレ調整後で2009年水準の2倍超、1994年の3倍になっており、利回り上昇によるリスクは高くなっているとゴールドマンは指摘。マーティ・ヤング氏が率いる債券アナリストらは17日にリポートで、「市場での売りは続く可能性があり、デュレーションリスクにさらされるドル債の想定額は前代未聞の大きさだ」と説明した。

  ゴールドマンの損失額試算はドル建て投資適格級現物債が対象のため、市場全体のリスクはさらに大きい。

原題:Goldman Says U.S. Bondholders Risk a $1.1 Trillion Hit if Rates Spike(抜粋)

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