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トランプ氏娘婿家族の会社、前科ある父親と刑務所仲間が今も深く関与

  • ジャレッド・クシュナー氏、シニアアドバイザーとして米政権入り
  • 父親チャールズは証人買収や脱税などで受刑、今も会社の中心的位置

刑務所での服役を終えて社会に出ても、すぐに職を見つけるのは容易ではない。しかしそれぞれ詐欺への関与で服役したアブラム・レボア氏とリチャード・ゲートリッヒ氏は、アラバマ刑務所を出てすぐ不動産会社の上級職に就いた。その会社を当時経営していたジャレッド・クシュナー氏はトランプ大統領の娘婿であり、今はホワイトハウスで大統領のシニアアドバイザーを務める。両氏を数年前に雇い入れたのは、刑務所で一緒だったチャールズ・クシュナー氏、ジャレッド氏の父親だった

  ジャレッド・クシュナー氏(36)がホワイトハウスで担う任務には、人事の決定や中東和平が含まれる。組織をまとめるスキルを裏付ける経歴は、同氏の家族で経営する不動産会社「クシュナー」でのキャリアだ。この会社には父親が深く関与し、トランプ氏のビジネスと同様、家族と忠誠心が大事にされている。これまで経営が不安定で内紛が頻発した同社は、今後政治的に多大な影響力を持つ可能性がある。ジャレッド氏がまとめた合弁事業や、同氏がてこ入れした投資は今後、かつてない影響力を及ぼす機会を得るかもしれない。そうした機会を注意深く監視するべきだと、倫理問題を専門とする弁護士は指摘する。

  選挙法を専門とする超党派組織、キャンペーン・リーガル・センターの法務顧問、ラリー・ノーブル氏は「ジャレッド・クシュナー氏の一家とビジネスをやらない手はない」と話す。「政府に続く道だ。少なくとも優先コースに乗ることはできる」と述べた。

  クシュナー氏もトランプ大統領も利益相反のリスクに、理論上では対応済みだ。トランプ大統領は事業の経営を息子らに任せた。クシュナー氏はさらに進んで、家族経営の資産の多くで自分の持ち分を売却した。同氏の代理人、ブレーク・ロバーツ弁護士によれば、この売却は連邦法にのっとっており、すでに政府倫理局(OGE)の承認を得ている。

  それでも複数の倫理専門家は、同氏の持ち分を買ったのが兄弟や母親であるため利益相反の問題は残ると指摘する。クシュナー氏は資産の投資先を把握できる立場にあると考えられている。2005年に売春婦を使った証人買収と不正な選挙献金、脱税で有罪判決を受けた父親チャールズ・クシュナー氏は今も同社の中心的立場にある。

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チャールズ・クシュナー氏(中央、2004年8月18日ニュージャージー州の米連邦地裁前)

Photographer: Chris Hondros/Getty Images

  チャールズ・クシュナー氏と刑務所で一緒だったゲートリッヒ氏は2008年12月に刑期を終えて、11年初めにクシュナーに入社、リース関連のコンサルタントを務める。レボア氏は09年8月に入社、小売り関連の組織が主催するイベントに同社代表として頻繁に出席している。

  クシュナー社の広報担当者は、レボア、ゲートリッヒ両氏を含め、セカンドチャンスプログラムの一環として受刑歴のある人材を複数雇用しているのは会社として誇らしく思うとコメントした。

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チャールズ・クシュナー氏の有罪答弁を明らかにする当時のクリスティー検事正(04年8月18日、米連邦地裁前で)

Photographer: Rick Maiman/Bloomberg
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大統領のシニアアドバイザー就任を宣誓するジャレッド・クシュナー氏(右)

Photographer: Mandel Ngan/AFP via Getty Images
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ジャレッド・クシュナー氏の弟のジョシュア氏(左)

Photographer: Landon Nordeman/The New York Times via Redux

原題:Kushner’s Felon Father Brought Two Fellow Inmates Into Company(抜粋)

 

 

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