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北海産原油のアジア向け輸出が過去最高-OPECが供給削減する中

  • 北海産原油のタンカー荷積み量のうち40%がアジア向け
  • OPECの供給削減で中東産原油が値上がり

アジアの石油精製会社は、かつてないほど大量の北海産原油を調達している。アジア向けの主要な原油供給国が供給過剰解消に向け生産を制限しているためだ。

  ブルームバーグが集計したデータによれば、北海からアジア向けの原油輸出は1月に過去最大の1200万バレルに達する見通しだ。ノルウェーと英国の沿岸沖油田から900万バレルを運搬するタンカーが既に東方に向かい、少なくともさらに300万バレルが来週中に輸出される見込み。全ての原油が計画通り輸出されれば、主要指標原油、北海ブレント原油の産地である北海の1月の原油供給のうち約40%がアジアに向かう見通しだ。

北海産原油の荷積みが増加

  KBCアドバンスト・テクノロジーズのプリンシパルコンサルタント、イーサン・ウルハク氏は「中東から十分に供給されない中、アジアは需要を満たすために北海と西アフリカに頼っている」と指摘。中国の原油生産は減少しているが、大西洋海盆地域は引き続き供給過剰となっていると述べた。

  北海産原油の供給業者は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国と他の産油国11カ国による世界の原油市場安定に向けた減産の恩恵を受けている。OPECの供給削減により中東産原油の相対的価値が1年4カ月ぶりの高水準となり、サウジアラビアやクウェートなどの産油国は東方向け輸出を制限している。このことは、アジアの石油精製会社にとって北海産原油が従来よりも購入しやすくなっていることを意味する。アジアでは中国の精製向け原油処理量が過去最高水準となっている。

原題:Asia Grabs Record North Sea Crude Oil as OPEC Cuts Supply(抜粋)

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