三井住友とりそな、傘下の関西地銀3行の統合を検討-関係者
Gareth Allan、Shingo Kawamoto三井住友フィナンシャルグループ(FG)とりそなホールディングスが、傘下の第二地銀3行の再編に向けて検討していることが分かった。実現すれば、総資産は単純合算で11兆5000億円と地銀上位に匹敵する規模になる。
複数の関係者によると、統合を協議しているのは三井住友系の関西アーバン銀行とみなと銀行、りそな系の近畿大阪銀行。3行とも関西地区に本店を置き、店舗展開している。統合方法や時期などは検討中という。
3行がある関西地区は親会社のメガバンクに加えて他の金融機関の参入が相次いでいる激戦区。少子高齢化に加えてマイナス金利の下で収益が伸び悩むなど地銀を取り巻く経営環境は厳しさを増している。こうした中、日銀の黒田東彦総裁は16日の講演で、金融機関の収益力向上には合併や統合なども選択肢の一つとなり得ると指摘していた。
報道を受けて、関西アーバン株は前週末比4.9%高、みなと株は同10%高でそれぞれ取引を終えた。三井住友Fは「関西アーバンとみなとの今後の戦略については幅広く検討しているが、現時点では本件を含めて決定した事実はない」、りそなは「さらなる成長に向けて様々な選択肢を検討しているが、本件を含め現時点で決定した事実はない」とのコメントをそれぞれ発表した。
3行統合をめぐっては、日経新聞と読売新聞が先に報じた。日経は、三井住友とりそなが共同持ち株会社を作り、系列地銀3行をぶら下げると報道。一方、読売によれば、りそなは関西アーバンとみなとの両行に対し株式公開買い付け(TOB)を行うことを視野に、三井住友からの保有株取得を検討しているという。