人民元の為替水準は適正、IMFが米為替報告書にらみ見解
Andrew Mayeda、Enda Curran-
人民元、経済ファンダメンタルズにほぼ沿っている-IMF幹部
-
米財務省、注目の為替報告書を来週発表する見込み
国際通貨基金(IMF)幹部は人民元の為替水準が中国経済のファンダメンタルズに「ほぼ沿っている」と述べた。米財務省が来週発表する為替報告書を前に独自の見解を示した格好だ。
人民元は今年に入り対ドルで6%余り下落。重要な節目である1ドル=7元を割り込む可能性もあるとみられ、関税合戦を繰り広げる米国の注意を引いている。ムニューシン財務長官は11日のインタビューで、人民元の下落が「競争的な切り下げ」でないことを確実にしたいと述べていた。
IMFは、人民元安は為替レートの柔軟性向上という中国人民銀行(中央銀行)の意思を反映したものだと指摘。年次総会が開かれたインドネシア・バリ島でインタビューに応じたアジア太平洋局次長マーカス・ロドラウアー氏は12日、「われわれの枠組みによると、人民元の為替レートは行き過ぎてはいない。ファンダメンタルズにほぼ沿っている」と語った。
人民元の将来の水準についてはコメントを控えた。だが、人民銀行は「混乱を招くような」大きな動きを抑えつつ、為替レートを「市場の圧力」に委ねようとしていると発言。3-4年前だったら中国は今年ほどの為替変動を許容しなかっただろうと述べた。
原題:IMF Says Yuan Is Fairly Valued as U.S. Compiles Currency Review(抜粋)