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EU、30年までにCO2排出量37.5%削減で合意-当初より厳しく

  • 地球温暖化対策で2025年と30年の排出量目標を設定
  • 取り決められた合意は「過剰な要求だ」とドイツ自動車工業会

欧州連合(EU)の交渉担当者らは、無公害車の開発促進を目指し、乗用車の二酸化炭素(CO2)排出量により厳格な上限を設定することで合意した。

  EU各国政府と欧州議会の代表らは17日にブリュッセルで、2030年のCO2排出量を21年比で37.5%削減することで一致した。欧州議会はCO2排出量を21年比で平均40%削減する目標案を10月初めに採択し、EU環境相理事会は35%削減する目標を同月決定していたが、双方が歩み寄った格好だ。今回の合意には25年のCO2削減中間目標も盛り込まれた。

  EU議長国オーストリアのケスティンガー環境相は9時間半にわたる協議後に発表した声明で、「これは気候変動との闘いにおける重要なシグナルだ。われわれはタフで真剣な交渉を行った」と述べた。

  EU域内では毎年約1500万台の自動車が販売されており、EUのCO2排出量の1割強を乗用車が占めるが、電気自動車(EV)の欧州市場シェアは約1.5%というのが現状だ。

  17日に決着した数値目標は、欧州議会や各国政府が当初目指した30年の目標と同様、EUの行政執行機関である欧州委員会が昨年提案した30%削減よりも野心的な数字だ。

  自動車業界は、欧州委の提案よりも厳しい目標が設定されれば、欧州で消費者の選択肢と業界の雇用が脅かされると警戒してきた。ドイツ自動車工業会(VDA)のベルンハルト・マテス会長は17日に電子メールで配布した発表文で、取り決められた合意は「過剰な要求だ」と主張。「合意された上限を所定の期間でどのように達成できるか誰も分からない」と指摘した。

原題:Carmakers Get Road Map for Tougher EU Caps on Carbon Dioxide (1)(抜粋)

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