TBSは東エレクの大株主である必要ない、英の物言う株主が圧力
Dave McCombs、谷口崇子-
約650億円相当の株主還元求める、東エレク株の40%原資に
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TBSは反対表明-各種投資の原資として随時活用する
英アクティビスト(物言う株主)のアセット・バリュー・インベスターズが、東京放送(TBS)ホールディングスの抱える大量の政策保有株式を問題視している。6月28日に予定されているTBSの定時株主総会に向け、政策保有株の東京エレクトロン株約650億円相当を株主に還元するよう求める株主提案を行った。
アセット・バリューはTBSに対し、同社が4.68%の議決権を保有する東エレク株式の40%を株主に還元するよう要求している。TBSは今月1日に提案を受け取った。これは東エレク株の18日終値で計算すると、約650億円相当となる。ブルームバーグのデータによると、アセット・バリューのTBS株式保有比率は2.13%。
アセット・バリューのジョー・バウアーンフロイント最高経営責任者(CEO)は取材に対し、TBSが東エレクの大株主である必要はないと述べた。「両社の間には何の業務上のシナジーもなく、(東エレク株価の上昇で)バランスシートに占める割合が過大に膨張してきている」とした。
TBSは10日、この株主提案への反対を表明。東エレクがTBSの関係会社から出発したという成り立ちから株式を保有しているものの、株価の大幅な上昇で資産価値が高まったと説明。不動産開発などで資金が必要な時にこれまでも株式を売却してきており、今後も「各種投資の原資として最適なタイミングで随時活用したい」と反論している。
ブルームバーグのデータによると、TBSは自らの時価総額(約4200億円)を超える約4700億円の株式を保有している。バウアーンフロイント氏は「日本の投資家が、この種の海外投資家を支援する気があるかどうか、もうすぐ分かる」と話す。「重要なのは、公開の場できちんと議論して決めてもらうことだ」とした。