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人員削減はドイツ、英国、米国に集中している
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中国でも販売不振の中、人員削減が実施されている
世界各国の自動車メーカーの従業員にとって、今年は過去最悪の部類の年となっている。需要減少や自動車技術の構造的変化が背景にあり、ドイツのダイムラーとアウディはここ1週間で2万人近くの人員削減を発表したばかりだ。
ブルームバーグ・ニュースがまとめたデータによると、自動車メーカーは今後数年間で8万人余りを削減する。人員削減はドイツや米国、英国に集中しているが、高成長国もこの流れに逆らえず、自動車メーカーはそれらの国で事業を縮小している。
ドイツ2社に加え、米ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーター、日産自動車もこの1年間で大規模な人員削減に踏み切っている。
貿易摩擦や関税でコストが上昇し、投資が抑制されるとともに、電気自動車(EV)・自動運転・配車サービスの時代の到来で各社が従業員数を見直す中、自動車業界は失速しつつある。調査会社IHSマークイットによると、今年の世界の乗用車とライトトラックの生産台数は前年比約6%減の8880万台となる見通しだ。
また、中国でも人員削減が実施されている。従業員数が業界最多の中国は、販売不振に見舞われている。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、ジリアン・デービス氏は「世界市場の持続的低迷を受け、既に自動運転技術の研究開発費増加にあえぐ自動車メーカーの利益率と利益が損なわれている」と指摘。「多くの自動車メーカーは現在、利益率低下を阻止するためコスト削減計画に注力している」と述べた。
原題:
Carmakers Shedding 80,000 Jobs as Electric Era Upends Industry(抜粋)
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