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EU、米国の自動車関税賦課で「深刻な混乱」を予想-内部資料

  • EUだけでなく米国にも打撃、米国で雇用18万人喪失も
  • EU、首脳会談の準備資料で米国が25%の関税を賦課した場合を試算

米国が欧州連合(EU)の自動車と自動車部品に関税を導入した場合、3000億ドル(約33兆円)の貿易に影響し加盟28カ国ほぼ全てが経済的な被害を被ると、EUが報告書で指摘していたことが明らかになった。

  ブルームバーグが入手した内部資料によると、欧州委員会は25%の関税が賦課されれば「自動車と自動車部品の米輸入はおおよそ半分に減ると見込むことができる」と予想。「米国が関税を導入すれば、影響を受ける貿易相手国・地域から相応の報復措置が取られるだろう」と続けた。

Car Trade

German manufacturers would feel the most pain from Trump's auto tariffs

Source: European Commission

Note: U.S. light vehicle imports from the EU

  トランプ米大統領は22日にツイッターで、EUが米国製品に対する関税や他の貿易障壁を取り除かなければ、EUから輸入するすべての自動車に20%の関税を課すと表明。欧州自動車工業会(ACEA)によると、米EU間の自動車関連の貿易額は全体の約10%。EU製自動車の輸出先は米国が台数でも額でもトップで、台数では自動車輸出全体の2割程度、額では全体の3割程度を占めた。

  報告書ではまた、関税賦課の痛みはEUだけでなく、米国経済にも跳ね返るだろうと指摘。「18万人を超える」雇用が失われ、報復措置によりこの影響は倍増する恐れもあるとの見方を示した。EUはこの報告書を28-29日に開かれる首脳会議への準備資料として各国政府向けに作成した。

原題:EU Warns of ‘Severe Disruption’ as Trump Threatens Car Tariffs(抜粋)

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