「バグ」のおかげで無限大のレバレッジ-4000ドルで100万ドルの取引
Brandon Kochkodin-
「無限大マネーのチートコード」と名付けられたバグを利用
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利用した資金は返済する必要、証券詐欺の罪に問われる可能性も
ロビンフッド・マーケッツの取引システムのバグは、ユーザーが極端なレバレッジを効かせた株取引をするのを可能にする。事実上、ただで借りられる「フリーマネー」を提供している。
レディットのフォーラム「ウォールストリートベッツ」のユーザーたちが「無限大マネーのチートコード」と名付けたこのバグはうまく利用されているという。1人のトレーダーは4000ドル(約43万6000円)の預託金で約100万ドルのポジションを組んだと自慢している。
ロビンフッドの広報担当ラビニア・キリコ氏は質問に対し「幾つかの個別の件があったと認識しており、顧客と直接連絡を取っている」と電子メールで回答した。
カリフォルニア州メンロパークに本拠を置く資金管理ソフトウエア開発会社のロビンフッドは、「手数料なし」取引を売り物にしている。「ロビンフッド・ゴールド」の顧客は、月額5ドルを支払うことで証拠金取引ができる。
無限大取引の仕組みはこうだ。ロビンフッド・ゴールドの顧客はロビンフッドから借りた資金を利用してカバードコール戦略をとる。ここには何の問題もないが、ロビンフッドがそのコールの価値をユーザー自身の資本の中に誤って入れてしまった場合に問題が発生する。
あるトレーダーは2000ドルの預託金を5万ドルの購買力に変身させ、アップル株のプットオプションを購入。このトレーダーは結局その資金を失ったが、それについてのビデオをユーチューブに掲載した。
カバードコール戦略では、株式を保有している投資家がその株のコールオプションを売る。
無限大レバレッジと呼ばれるものを利用して取引するトレーダーは資金を返済する義務が生じたり、証券詐欺の罪に問われたりする可能性もあると、ジョージタウン大学のドナルド・ラングボールト法学教授は話す。
「システムの抜け穴を悪用したという詐欺の要素があれば、証券詐欺事件となり得る」し、「基本的なコモンローの問題として、誰かの間違いを利用してもうけた場合、その金を返済する義務がある」と同教授は話した。
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