ドル・円が下落、米朝首脳会談で合意なしー米金利低下や株安重し
小宮弘子
更新日時
東京外国為替市場のドル・円相場は下落。海外時間にドル・円を押し上げた米長期金利が低下に転じたことや日本株の下落を背景に上値が重かった上、終盤には米朝首脳会談で合意がなかったことが伝わると下げ幅を拡大した。
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市場関係者の見方
しんきんアセットマネジメント投信の加藤純チーフマーケットアナリスト
- 米朝首脳会談が最後の最後でうまくいかず、特に核プログラム廃絶について疑問符がついたのか。結果が分からないだけに、疑心暗鬼になって少しリスクオフにしただけだろう-午後のドル・円下落
あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長
- ドル・円の200日線の111円30銭手前では投機筋もレンジの上限とみているようで、111円に乗せると実需も含めて売りが入ってくる
- インド・パキスタンを巡って地政学リスクが少し出てきていることや、株が弱いこともドル・円の上値を抑制
- 今晩発表される米GDP(国内総生産)は、第4四半期は小売りもあまり良くなかったので、予想を下振れるとみられ、ドル・円の重しになってくるだろう
背景
- 米朝首脳会談で合意なし
- トランプ大統領の記者会見は当初予定の現地時間午後4時から午後2時(日本時間同4時)に変更された
- 日経平均株価は171円安で終了。米朝首脳会談の予定切り上げを嫌気し、引けにかけて下げ幅拡大
- 米10年債利回りはアジア時間の取引で2ベーシスポイント(bp)低下し2.66%
- 27日の米国市場では一時2.70%付近まで上昇、これに伴いドル・円は一時111円07銭までドル買いが進行
- 昨年10-12月の米GDPの市場予想は前期比年率2.2%増と同7-9月の3.4%増から鈍化する見込み
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