ゴーン被告弁護人が無罪に自信、早期保釈の可能性も指摘
鈴木偉知郎、馬杰、井上加恵-
保釈実現へゴーン被告に監視カメラなど外部との接触断つ方法を提案
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弘中氏は過去の実績からカミソリの異名、「切れ味試したい」
特別背任の罪などで起訴された日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の弁護人を務める弘中惇一郎弁護士は4日、都内の日本外国特派員協会で記者会見して同被告が裁判で無罪を勝ち取ることへの自信を示し、近く保釈される可能性もあるとの認識を明らかにした。
弘中氏はゴーン被告が起訴された3つの事件に関していずれも10年以上前の話で日産関係者も知っていたことだとして「常識で考えて、刑事犯罪になるような事件ではない」と指摘。現在は検察から一部示された証拠を精査しているとし、「無罪を取れておかしくないと思っている」と述べた。
弘中氏ら新弁護団は2月28日、ゴーン被告の保釈請求を申請。昨年11月19日に金融商品取引法違反の罪でゴーン被告が逮捕されてから保釈請求は3回目。弁護人が交代してからは初めてとなる。今回は保釈後の証拠隠滅などが疑われないよう、監視カメラを設置するなど外部との接触を断つ仕組みを提案するなど、「説得力のある保釈申請」を心がけたとした。
弘中氏は自白しなければ勾留期間が長引く傾向にある、いわゆる人質司法について世界各国から批判が出ている中、「そう遠くない時期に保釈となる可能性はある」と述べた。また、ゴーン被告本人のこれまでの主張や前任の弁護士の方針などにしばられず、事実や証拠をベースに「まったく新しい発想、意見」で弁護活動を進めていきたいと述べた。
ゴーン被告の勾留期間は100日を超えた。現在の勾留期限は3月10日までだが裁判所の判断で1カ月ずつ伸ばすこともできる。ゴーン被告が現在起訴されている案件以外の余罪を追及される可能性については、検察の対応から判断して「全くないとは言えない」とも語った。
弘中氏は「時代の変わり目、大きな政策の転換点にそれまで社会を代表していた人がひどく叩かれることがある」として、今回の事件が「世界の経済的な動きや政治の動きとリンクしていると思って取り組んでいきたい」と述べた。
これまでの刑事事件での弁護の実績から「無罪請負人」や「カミソリ」の異名を持つという弘中氏。「歴史的にも社会的にも大変重要な裁判になる」として「73歳になるが、まだカミソリの切れ味があるのか試してみたい」と語った。
弘中弁護士の主な発言内容 |
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