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ECBは行動の用意、リスクが数カ月内に顕在化の可能性-クーレ理事

  • 金融市場からのシグナルは「大きな懸念を呼ぶ」-FT紙に語る
  • 今週はポルトガルのシントラでECBの年次シンポジウム

欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は、景気を支えるために必要であればECBは行動の用意があり、数カ月内にそのような決断に直面する可能性があるとの認識を示した。

  同理事は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、景気への懸念は製造業関連が中心で一時的なものかもしれないが、金融市場からのシグナルは「大きな懸念を呼ぶものだ」と語った。

ECB President Draghi and IMF Managing Director Lagarde at Bank Governors Conference

クーレECB理事

Photographer: Andreas Arnold/Bloomberg

  ドラギ総裁は6月会合後の会見で追加利下げや量的緩和(QE)再開の可能性にも触れ、行動する決意を示していた。

  クーレ理事は「これまでのところわれわれは緊急計画について話し合っているが、次の数回の会合のある時点で、リスクが顕在化する状況に直面する可能性は十分にある」と述べた。

  17日夕からポルトガルのシントラで始まるECBの年次シンポジウムではドラギ総裁が冒頭演説を行う。

  クーレ理事はFT紙に対し「債券市場の価格は全体的に世界経済について非常に暗い情景を描き出している」と指摘。「中央銀行は決して市場のシグナルを無視すべきではないが、無批判に追随すべきでもない」と述べた。

  金融緩和の全ての選択肢にはそれぞれ「代価と利点がある」ものの、いかなるものも「ECBの行動を妨げることはない」と言明。利下げを決定した場合は、「金融仲介機能、特に銀行に対するマイナス金利の影響」を考慮し、いわゆる階層化が必要かどうかを検討しなければならないだろうと語った。

  また、政策委員会メンバーのデコス・スペイン中銀総裁はサンタンデールでの会議で、インフレ率が中銀目標に達することへの疑念を当局者らは「深めている」と発言。今四半期の成長は1-3月期に比べ弱まるとの見方を示し、貿易摩擦と英国の欧州連合(EU)離脱によるリスクの高まりを指摘した。同総裁はインフレと成長のために利下げを含め行動の用意があるとして、「ECBは必要なら行動する用意がある」と述べた。

The outloook for euro-area inflation has deteriorated rapidly

原題:ECB’s Coeure Says Risks May Materialize Amid Bleak Market Signs(抜粋)
ECB Officials Say Bank Ready to Act Amid ‘Alarming’ Market Signs

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