サウジ資産に不安定化の恐れ-逮捕や当局取り締まりに投資家が動揺
Arif Sharif、Filipe Pacheco-
前例のない事態に海外投資家センチメントに変化も-メナ・コープ
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逮捕されたアルワリード王子のキングダムHD株が5日に急落
サウジアラビアが投資家に変化球を投じた。
サルマン国王によるサウジの現職閣僚から王族に及ぶ一連の逮捕劇により、一部の投資家は腐敗と戦う当局の意志に勇気づけられた。ただ同時に、次なる逮捕の対象や今後の展開を心配している。
メナ・コープ・ファイナンシャル・サービシズの資産運用部門マネジングディレクター、タリク・カキシュ氏(ドバイ在勤)は、「サウジでこのような事態は過去に例がなく、どう決着するのか市場には見当がつかない。特に海外投資家の心理に変化が表れるだろう」と指摘。「地元の投資家は恐らく、めどが付くまで様子見姿勢になる」と語った。
逮捕事由が公にされていないことも、既に漂っていた市場の不透明感に拍車を掛けている。5日のサウジ株式市場では、キングダム・ホールディングは一時9.9%安となり、年初来の下落率は21%に拡大した。同社は逮捕者に含まれているアルワリード王子が創設した投資会社。同王子はブルームバーグ・ビリオネア指数の富豪番付50位で、推定資産額は約190億ドル(約2兆1700億円)。
ユナイテッド・セキュリティーズの株式調査責任者、ジョイス・マシュー氏は「現地の投資家は株式市場に資金を投じる前にちゅうちょするかもしれない。新たなポジションの構築を控え、極めて慎重で用心深くなるだろう」と語った。
原題:Saudi Assets Seen Set for Rocky Times as Purge Rattles Investors(抜粋)
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