北朝鮮の金正男氏、マレーシアの空港で「毒殺」-韓国政府当局者
Kanga Kong、Sam Kim-
殺害された金正男氏は金正恩委員長の異母兄で、長年国外で暮らす
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韓国大統領代行が国家安全保障会議常任委員会を主宰し問題を協議
韓国政府当局者は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄に当たる金正男氏が13日にマレーシアで殺害されたとの情報を明らかにした。
金正男氏は故金正日総書記の長男で、北朝鮮国外で長年暮らしていた。韓国政府の方針を理由に匿名で語った同当局者は、同氏は毒殺されたと説明したものの、詳細は示さなかった。
韓国のテレビ局YTNは政府関係者の話として、女2人がクアラルンプールの空港で金正男氏を毒針で刺した後、タクシーで逃走したと報じた。
マレーシアのハリド・アブ・バカル警察長官は、空港で助けを求めた北朝鮮の男性が、病院への搬送の途中で死亡したとする声明を発表。旅券ではこの男性の名前は「キム・チョル」とされ、捜査が行われており、検視要請したと付け加えた。
金正男氏について著書がある東京新聞の五味洋治編集委員によれば、同氏は2001年にドミニカ共和国の偽造パスポートを使って日本に入国しようとして身柄を拘束され、父親からの愛情を失ったという。金正男氏は金正恩委員長について、その若さと経験不足を理由に「長続きしないだろう」と12年に語ったと伝えられるなど批判的だった。
韓国国会国防委員会の金栄宇(キム・ヨンウ)委員長は、最も可能性が高いシナリオとして、殺害の背後には金正恩委員長がいるとの見方を示す一方、それを裏付ける具体的な証拠は挙げなかった。
金栄宇委員長は「何かとても重要な計画がなければ、長期間にわたり母国を離れて放浪している誰かを突然、除去することはない」とコメント。金正男氏に従う者がおり、金正恩委員長が「それに不安を感じていた」とうかがわれると話した。
韓国の聯合ニュースは、黄教安(ファン・ギョアン)大統領代行兼首相のオフィスの情報として、同大統領代行が15日午前に国家安全保障会議常任委員会を主宰し、北朝鮮問題を協議すると報道。同国情報当局も殺害について議員に報告する。
原題:Kim Jong Un’s Estranged Brother Murdered at Malaysia Airport(抜粋)