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【個別銘柄】東芝が大幅続落、自動車株安い、しまむらや東製鉄は上昇

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4日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

   東芝(6502):前日比9.4%安の206.8円と2日続落。11日に予定している2016年4-12月期(第3四半期)決算の3度目の発表延期懸念がくすぶる中、3日付の日刊工業新聞など各紙が監査法人による過去決算を調査する意向や発表延期の可能性などを相次いで報道。メリルリンチ日本証券は米ウェスチングハウスのチャプター11申請で決算準備が整いつつあると認識していたため、報道が事実ならネガティブサプライズと指摘した。また、三菱UFJフィナンシャル・グループが関東財務局に提出した変更報告書で東芝株の売却が伝わり、需給の悪化も意識された。

  自動車株:マツダ(7261)が3.1%安の1532円、ホンダ(7267)が2.7%安、日産自動車(7201)が2.9%安。ジェフリーズ証券はリポートで、カバーする国内自動車7メーカーの18年3月期の合計営業利益予想を従来予想に比べ7%減額した。原材料価格の上昇や米金利、中古車価格の変動を勘案した。また、調査会社のオートデータによると、3月の米自動車販売は年率換算(調整後ベース)で1660万台と、アナリスト予想の1720万台を下回った。

  キユーピー(2809):8.6%安の2958円。3日に発表した2016年12月-17年2月期営業利益は前年同期比28%増の55億7700万円だったが、市場予想の69億円には届かなかった。野村証券は、減価償却方法の変更影響を除いた実質ベ ースの営業利益は16億円減益で、精彩を欠く決算だと指摘。高収益な主力商品、特に調味料商品の売上拡大が国内の収益性改善には必要との見方を示した。

  アスクル(2678):5.9%安の3025円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は目標株価を4100円から3400円に引き下げた。投資判断は「中立」を継続。2月に起きた物流倉庫での火災の影響が大きかった個人向け通販「ロハコ」の3月売上高を勘案、17年5月期営業利益予想を94億円から92億円(会社計画95億円)、18年5月期を86億円から80億円に減額した。

  しまむら(8227):2.4%高の1万5200円。18年2月期営業利益は前期比16%増の567億円を見込むと発表した。市場予想504億円を上回る。主力のしまむら事業では、プライベートブランドの品そろえを充実させるほか、積極的にテレビCMを投入。また、都市部を中心に26の出店を計画している。ゴールドマン・サックス証券は意欲的な今期計画だとした上で、改革の方向性は正しく、引き続き効果の顕在化に期待すると指摘。目標株価を従来の1万4000円から1万4800円に引き上げた。

  東京製鉄(5423):2.3%高の948円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は投資判断を「アンダーウエート」から「オーバーウエート」に2段階引き上げた。目標株価を860円から1270円に変更。エクイティーストーリーを田原工場の熱延鋼板 (HRC)増産の収益本格寄与による板材と条鋼の両輪経営に変更した。18年3月期の営業利益予想を162億円から197億円に、19年3月期を168億円から219億円に増額した。

  日本ユニシス(8056):3.1%安の1491円。SMBC日興証券は投資判断を従来の「アウトパフォーム」から「中立」に引き下げた。業績の回復は株価にある程度織り込まれたと指摘。また、収益性の改善は進むものの、受注拡大ペースは鈍いとみる。18年3月期営業利益予想を従来の170億円から161億円、来期を185億円から180億円に減額した。

  全国保証(7164):2.3%高の3930円。ドイツ証券は目標株価を4600円から4900円へ引き上げた。投資判断は「買い」を継続。成長ドライバーは既存の提携先金融機関との取引深耕による市場シェア向上だと指摘。失業率の低下傾向を受けて与信費用の想定を若干引き下げたことや市場シェア向上見通しから、18年3月期以降の営業利益予想を増額した。  

  あさひ(3333):6.9%高の1388円。3日に発表した17年2月期営業利益は前の期比4.7%増の33億8500万円だった。26店舗の新規出店や既存店改装などで売上高が5.6%増加。スポーツ用自転車の販売体制強化したほかPOSシステムの刷新なども進めた。18年2月期の営業利益は前期比6.3%増の36億円を計画している。

  日本フイルコン(5942):9.9%高の610円。17年11月期営業利益予想を13億5000万円から14億5000万円に上方修正すると3日に発表した。電子部材・フォトマスク事業で太陽光発電システム設備販売の受注が好調に推移しているため。

  三益半導体工業(8155):2.7%高の1739円。いちよし経済研究所はフェアバリューを従来の2200円から2500円に上げた。投資判断は「A(買い)」を継続。16年12月-17年2月期営業利益は前四半期比で減益だったが、費用要因を除けば増益決算となりポジティブと指摘。旺盛なウエハー需要を背景に、数量、価格ともに良好な事業環境が続くと予想し、来期以降の営業利益予想を増額した。

  サカイ引越センター(9039):2.1%高の3200円。3日午後2時に発表した3月の売上高速報値は前年同月比15%増の128億円、17年3月期通期では4.2%増だった。東海東京調査センターはリポートで、前年の労務管理厳格化の反動を差し引いても好調な伸びと評価。前期第4四半期(1-3月期)においては、業者側の労務逼迫(ひっぱく)や物損保険の自前化による収受料金上乗せなどを背景に引っ越し作業の単価も改善しているとの認識も示した。

  西松屋チェーン(7545):4.2%高の1291円。17年2月期営業利益は前の期比33%増の78億7100万円だったと4日午後に発表した。プライベートブランド商品の開発を強化したことなどで増収を確保した上、販管費抑制などが奏功。18年2月期は前期比11%増の87億1500万円を計画する。

  平和堂(8276):7.1%安の2535円。17年2月期営業利益は前の期比3.1%減の153億だったと4日午後に発表した。新規出店や売り場改革などの費用が前年を上回った。18年2月期は前期比2.3%増の157億円を見込む。

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