6月米利上げの確率、50%割り込む-インフレ期待低下で
Wes Goodman-
ブルームバーグの金利予想で、6月利上げの確率は約44%に低下
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雇用やインフレ指標を受け、米経済への信頼感が低下
トレーダーの間では6月の米利上げ観測が後退している。インフレ期待の低下が背景にある。
ブルームバーグがまとめた世界の金利予想確率で、6月の米利上げ確率は44%程度に低下。今月の早い段階では60%を上回っていた。投資家の利上げ観測が後退する中で、フェデラルファンド(FF)金利先物の6、7両月限の利回りは低下。政策金利の動向に最も敏感な2年物米国債相場は、このままいけば1年ぶりの2カ月連続上昇となりそうだ。
3月の米雇用統計で雇用者数の伸びが予想を下回ったほか、同月の米消費者物価指数(CPI)が前月比で予想外のマイナスとなったことを受け、投資家は米経済の力強さと当局による今年3回の利上げ方針を疑問視している。また、トランプ大統領が提案している減税やインフラ投資計画がまだ実現されていないことにも失望感が広がっている。
CIBCワールド・マーケッツ・ジャパンの債券責任者、大江一明氏は市場はある種のショック状態だと指摘し、投資家はこの夏にも米利上げが可能かどうか疑い始めていると述べた。
予想インフレ率の指標である米2年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差は今週に入り1.37ポイントと、年初来高水準の2.19ポイントから縮小。米当局が2%のインフレ目標を達成する能力をトレーダーが疑問視していることが示唆された。
原題:Fed June Hike Odds Below 50% After Inflation Expectations Tumble(抜粋)