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米国債:上昇,トランプ政権が税制改革案発表も懐疑的な見方広がる

更新日時

26日の米国債相場は上昇。トランプ政権が税制改革案の概要を公表した後に買いが入った。同案を巡る議会での対応や可決した場合でも実際の効果について市場が懐疑的に見ていることが示唆された。

  ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.30%。午前中には、利回りは一時1.6bp上げる場面もあった。ムニューシン財務長官とコーン国家経済会議(NEC)委員長による発表に先立ち、税制改革案の一部が明らかになったことが手掛かり。

  一部ストラテジストやトレーダーは相場上昇について、減税分の財源が経済成長加速によって賄われるとの政権の認識を議会が容認することに懐疑的な見方を理由に挙げた。この日はまた、トランプ政権が北米自由貿易協定(NAFTA)離脱への大統領令を準備しているとの報道がリスク資産に打撃となったほか、政府閉鎖を回避する上で必要な歳出法案に関する協議が難航していることも市場に影響した。

  ミシュラー・フィナンシャルのトレーダー、グレン・カペロ氏は税制改革案に対する市場の反応について、「トランプ政権がこの税制改革案成立を勝ち取ることはまずできまい」との見方を反映していると指摘した。

  またCIBCワールド・マーケッツのストラテジスト、リチャード・ギルフーリー氏は、改革案は「詳細に乏しく、むしろ選挙での公約といった感じだ」とし、「新たな情報はあまりなく、財政赤字への影響や可決の見通しについてもほとんど触れられていない」と述べた。

  税制改革案公表の30分前に実施された5年債入札(発行額340億ドル)では、最高落札利回りは1.875%となった。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.34倍と、前回の2.37倍から低下した。

原題:Treasuries Rally as Trump Tax Plan Outline Elicits Skepticism(抜粋)
原題:U.S. Treasury 5-Year Notes Yield 1.875% at Auction(抜粋)

(第3段落に加筆、4段落以降を追加し更新します.)
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