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トランプ氏娘婿の家族、NJ州の土地取得を断念-背景に利益相反懸念

  • 汚染された広大な工業用土地、住宅地としての開発・販売を計画
  • 売り手のハネウェル、連邦政府と大口の取引-助成金が絡む可能性も

トランプ米大統領のシニアアドバイザーを務める娘婿のジャレッド・クシュナー氏。同氏の家族が保有し経営するクシュナー・カンパニーは、ニュージャージー州の工業用土地を取得する計画を断念した。この土地は連邦政府と取引のあるハネウェル・インターナショナルとジャージーシティ-が共同で所有。クシュナー社はこれを開発し、住宅コミュニティーとして売り出す計画だった。

  ジャージーシティーの職員によると、クシュナー社が取得しようとしていたのはベイフロントと呼ばれるエリアで、広さ95エーカー(約38万平方メートル)、土壌を除染する必要がある。クシュナー社はニューヨーク市ブルックリンのウィリアムズバーグ地区で住宅価格高騰に悩む正統派ユダヤ教徒の住民を対象に、8100戸もの住宅を売り込む計画を提出していた。

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クシュナー氏(右)とイバンカさん(中央)

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  交渉に関わる複数の関係者によれば、クシュナー一家は昨秋の時点で、他の取得希望者より数千万ドル高い約1億5000万ドル(約170億円)を提示していた。他の希望者はハネウェルに対し、除染完了の最終承認が出るまでは取得額を提示しないと通知したため、入札は今年中に再開される予定となり、クシュナー社もこのプロセスに関わり続けると予想されていたという。

  しかしながら9日にブルームバーグが取材したところ、クシュナー社の広報担当、ジェームズ・ヨレス氏は同社はもはやベイフロントの取得を計画していないと述べた。理由は説明しなかった。

  匿名のクシュナー社関係者によれば、同社は昨年遅くに計画を断念した。数週間前に接触があった時には心変わりした様子はまったく見せなかったとの、交渉関係者の発言と食い違う。ジャージーシティーのフロップ市長を補佐するマーク・アルビーズ氏は、クシュナー社から撤回の連絡は受けていないと述べた。

  トランプ氏の娘、イバンカさんの夫であり大統領のシニアアドバイザーでもあるクシュナー氏は、利益相反を避けようと多くの資産を売却したが、その一部は家族が運営する信託に売却した。ハネウェルは巨額の契約を連邦政府と結んでおり、ベイフロントの開発には連邦政府からの資金援助が各種関係してくる可能性がある。

原題:Kushners Abandon Property Bid as Pressures Mount Over Conflicts(抜粋)

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