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NY外為(9日):ポンドが全面安、予想外の英選挙結果で

更新日時

9日のニューヨーク外国為替市場ではポンドが全面安。英与党・保守党が議席の過半数を維持できないという予想外の総選挙結果が嫌気された。米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を来週に控えて政治に注目が集まった今週、ドル指数は前週末からほぼ変わらずとなった。

  ポンドは主要10通貨全てに対して下落し、ドルに対しては2.5%下げる場面があった。過半数割れという総選挙の結果を受け、メイ英首相率いる保守党は、政権を樹立するため北アイルランドの親ブレグジット政党である民主統一党(DUP)の協力が必要になった。この選挙結果により、開始が10日後に迫った欧州連合(EU)離脱交渉でのメイ首相の立場が弱くなったとの見方も出ている。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ポンドは前日比1.6%安の1ポンド=1.2746ドル。ドルは対円で0.3%高の1ドル=110円32銭。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%上昇した。ユーロは対ドルで0.2%下げて1ユーロ=1.1195ドル。

Under Pressure!

  ドルは円に対し小幅高。「物価安定の目標である2%の達成にはなお距離がある」との黒田日銀総裁の英国での発言を受け、0.7%高の110円81銭を付ける場面があった。黒田総裁はさらに、為替の動きを注視しており、いずれの方向にも大きく変動する場合は懸念となり得ると話した。

  ポンド以外の通貨が薄商いとなる中、ドルは大半の通貨に対して上昇したが、カナダ・ドルに対しては0.3%下げた。カナダ・ドルは、同国5月の雇用統計が市場予想より強い内容だったことを受けて上昇した。

  ユーロは序盤、対ドルで月初来最低の1.1166ドルをつけたが、間もなく1.1200ドル台を回復した。欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁はこの日、「ユーロ相場がさらに上昇すると仮定すればインフレ率がさらに低くなるリスクがある」と述べ、前日のドラギECB総裁と同様、慎重な見方を示した。  

原題:Dollar Unchanged on Week as Pound Drops After Election Surprise(抜粋)

(相場を更新し、第4段落以降を追加します.)
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