ウォール街大手しのぐ影響力-香港の小さな地場証券群、改革阻む公算
Benjamin Robertson、Alfred Liu-
地場証券はSFCが示したIPO監督強化案を骨抜きにした
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現在は香港証取理事会の常任職求めてロビー活動中
香港証券先物取引委員会(SFC)は昨年9月、新規株式公開(IPO)に対する監督強化の是非を検討していた際、資産運用会社ブラックロックや会計監査プライスウォーターハウスクーパース(PwC)など、金融関連大手から全面的な支持を取り付けた。
だがSFCは同時に、少なくとも香港ではこうした大手をはるかにしのぐ力を持つ一団の抵抗に遭った。全て合わせても香港株取引の10分の1を扱うにすぎない、ごく小規模の地場証券会社群だ。
SFCのIPOに関する提案は最終的には骨抜き状態となり、地場証券側が勝利を収めた形。これに対し、これら地場証券は香港政界における自らの極めて大きな役割を利用して、世界4位の香港株式市場の改革を妨げているとの批判が高まっている。
こうした流れは向こう数カ月で強まる可能性がある。地場証券側は香港証取理事会の常任職を求めてロビー活動中。この20年ほどグローバル展開する競合大手に市場シェアを奪われてきたにもかかわらず、影響力を高めようとしている。
2006年から11年までSFCのトップを務め、現在は香港本拠のヘッジファンド、オアシス・マネジメントのアドバイザーを務めるマーティン・ウィートリー氏は「構造的な変革の話になると、取引全体の10%にすぎない勢力が不釣り合いな影響力を持つように見えるのは全くもって奇妙だ」と述べた。
香港での株取引はかつて、数百に上る家族所有の小規模企業が手掛けており、現在のように集約されていなかった。こうしたブローカーは市場にとって非常に重要な役割を果たした経緯があり、香港立法会(議会)だけでなく、行政長官を選出する1200人の選挙委員会にも代表を送り込んでいる。
原題:Tiny Brokerages Overpower Wall Street Heavyweights in Hong Kong(抜粋)