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日銀エースの雨宮氏が後任、黒田総裁は2期途中で退任-榊原元財務官

  • 任期ちょうどの交代は人事巡る憶測で市場に不測の影響も
  • 財務省OBと日銀プロバーのたすき掛け人事に

日本銀行の黒田東彦総裁は来年4月に再任された後に任期途中で退き、日銀生え抜きの雨宮正佳氏が副総裁から昇格する-。旧大蔵省で黒田氏の前任者だった榊原英資元財務官は、次期総裁人事について独特な予想を示した。

  榊原氏(76)は22日のインタビューで、任期ちょうどでの交代は「人事を巡る憶測が飛び交いやすく、市場にも不測の影響が及びかねない」と指摘、「途中交代なら、政府・日銀が適切とみた頃合いに実施できる」とみる。日銀総裁のポストはこれまで財務省OBと日銀プロパーが交互に務めるケースが多く、黒田氏再任時に「日銀のエース」である雨宮氏を次期副総裁の1人に任命しておき、黒田総裁自身は来春から1-2年後に退任して雨宮氏が昇格する線が一番ありそうだとした。

  榊原氏は現総裁である黒田氏が2013年に指名される直前に、財務官経験者が総裁になった例がなかったにもかかわらず、同氏を最有力候補の1人に挙げた。戦後の歴代総裁のうち、2期目を務めた3人はいずれも任期半ばで退いている。一方、1969年に就任した佐々木直氏から2003年に任期満了を迎えた速水優氏まで、旧大蔵省と日銀出身者が交互に就任した。

  早くから将来の総裁候補と目されてきた雨宮氏は、黒田体制の発足時から金融政策立案の中枢を担い、現在は企画局や金融市場局を担当する理事を務めている。日銀生え抜きの白川方明前総裁は京都大大学院教授から、副総裁を経験。福井俊彦元総裁も富士通総研の理事長などに就く以前に副総裁を経験している。榊原氏は、「いきなり総裁にするより、副総裁として経験と実績を積んでからの方が円滑に進みやすい」と言う。

  ブルームバーグのエコノミスト調査では、次期総裁として黒田総裁が最も有力視されているが、雨宮氏も有力候補の1人に挙がっている。一方、榊原氏のように途中交代を予測する声は市場では広がっていない。

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